学校法人中日学園 中日美容専門学校
美容のプロを養成する美容専門学校として美容科、トータル ビューティー科、通信科の3学科・12コースを擁する中日美容専門 学校。同校は名古屋市中心部にある4つの校舎において、受動 喫煙対策や校内の安全環境の向上などを目的に、セキュリティ カメラと空気質センサーによるVerkadaのソリューションを導入。 生徒の健康面や校内の風紀面で、問題が発生した際にデータを 基に追跡・証明可能な校内環境の整備を進めています。
お客様の課題
改正健康増進法の受動喫煙防止対応の観点から喫煙をモニタリングする必要性
管理コンソールがある特定のPCからしかセキュリティカメラの映像の確認ができなかった
盗難等の被害を未然に防ぐ風紀面でも校内環境改善の仕組みが必要
Verkada選定理由
電子タバコを含めて、さまざまな空気質を検知できる性能面の優位性
管理画面にはブラウザやアプリで容易にアクセスでき、 管理者権限も細かく設定可能な柔軟
管理画面の操作が直感的なため、教職員が自律的に活用可能な利便性
改正健康増進法により、科学的なアプローチで「生徒の健康と学校を守る」対策が必要
中日美容専門学校では、美容科、トータルビューティー科、通信科の3学科、12の専門コースを 用意し、多様な生徒のニーズに応えるカリキュラムを用意しています。同校の校長である久米健市 氏は、「美容という創造性や自由な発想が求められる領域では、すべてのクラスに画一的な授業を提 供するのではなく、コースを分けることにより、生徒の目標を踏まえ、担当する講師の特色を活かした教育を提供できるよう裁量を与えています」と説明します。業界で活躍する専門家を招く特別講師の選定も、生徒の声を聞き、最新の情報を取り込む柔軟な姿勢で、中京圏にとどまらず、幅広い地域から生徒を集めています。久米氏は、「校内環境の課題として、2020年に施行された改正健康増進法により、医療施設と同様に学校などは原則、敷地内全面禁煙となりました。法令遵守の観点から、生徒の喫煙がないことをモニタリングする必要性が生じました」と話す。
法律上、原則学校敷地内禁煙となり、20歳未満の生徒が在籍するため、法律で許される屋外喫煙スペースの設置も困難な状況であり、同校としても『敷地内で生徒が喫煙していないことを証明可能な仕組み』を整備する重要性が高まりました。また、久米氏は「喫煙行為自体が、美容師・エステティシャン・ネイリストという接客業を担う職業として、受動喫煙やお客様に不快感を与えてしまう恐れがあり、自身の健康にも悪影響があり、労働生産性の低下を招く喫煙をやめるような指導がしたいです。喫煙依存症が疑われる生徒には、 医療的な禁煙治療を受けることもセットにした、教育機関としての配慮のある問題解決を行う必要があります」と話します。 多様な背景を持つ生徒が集まる美容専門学校として、単なる法対応だけでなく、いかに生徒と学校をよりよい方向に向かわせるか、その教育環境の整備も大きな課題でした。個人の人権を尊重しながら、学校、生徒を守る ために科学的な根拠を持って証明が可能な対策の整備が急務だったのです。
Verkadaの性能面の優位性に加え、直感的な操作性を評価
「設備の選定に際しては、従前の監視カメラを導入した際のベンダーなどを中心にヒアリングを行いました。しかし、カメラ単体の提案はできるものの、空気質をモニターするセンサー(感知機)の 提案は難しいという回答でした」と、久米氏は話します。そんな中、久米氏自ら情報収集を行う中で、 Verkadaのソリューションを知ることになります。 Verkadaのソリューション選定の決め手となったポイントについて久米氏は、「一番のポイントは、電子タバコを検知できる点です」と話し ます。セキュリティカメラと空気質センサーがシンクロして、受動喫煙の可能性を未然に防ぐことにつながる性能面の優位性がポイントとなりました。学校管理者や教職員は限られた人的リソースの中で、個人の人権や健康への懸念などの複雑化する課題に対し、適切なツールを採用して、校内環境を守る責任があります。「Verkadaのソリューションは管理画面がわかりやすく、操作が直感的で、教職員がそれぞれのニーズを踏まえ自律的に活用可能な点も大きな選定ポイントでした。さらにソフトウェアのアップデートも無償であることも導入を後押ししました」(久米氏) これまでのセキュリティカメラの場合、管理コンソールを設定してある特定のPCからしか映像確認ができません でした。そのため、何かあった時に、すぐに確認ができない点にストレスを感じていたと言います。「その点Verkadaは、Webブラウザであればどこからでも管理画面にアクセスでき、利用する教職員のPC環境を問わない点、また、管理画面のアクセス権限を担当するエリアごとに細かく設定できる点などが魅力的でした」と久米氏は説明します。
特定の行動に対してトリガーを設定し通知す る 「アラート機能」についても、「問題の行動に直接関係ない映像はプライバシー保護の観点から見ないに越したことはなく、リソースの点から教員が 常時、映像を確認することも難しいことから、センサーと連携させる設定によってチェックすべき 映像に集中できる機能は重要です」と久米氏は評価します。
同校では、すべての校舎に、Verkada製のセキュリティカメラ28台と、室内空気質のモニタリングや電子タバコの検知などに最適な空気質センサー87台を導入しました。「当校では教員全員にiPadを支給しており、異常を感知次第すぐに状況を確認することが可能です。環境や健康に対する高い意識を持つ生徒が、学校の環境に不満を持って学校を去るようなことがないように、学校環境を整 備していくためにどうしたらよいかという観点で、最善の投資をこれからも続けたい。今の高校生 は、進学先の選定に学校環境 ・設備も重要で、先輩・友人のSNS等の情報を重視します。『こんな設備を用意しています』と学校自らが大々的にアピールするよりも、通っている実際の生徒から学校環境に関して満足しているという発信をされる方が、よほど影響力があります」(久米氏)
ツール導入を契機に、教員、生徒が自主的に校内環境の整備に取り組んでほしい
導入時の取り組みについて、久米氏は「どの場所にどのようなカメラを置くか、センサーの種類は、何台置いたらいいかという最適機材の選定や設置に関しては、Verkadaにお任せしました」とし、2024年4月からの新年度のVerkadaソリューションの正式運用に向け、教職員に対するトレーニングや学校敷地内全面禁煙のサインの掲示、「学校生活の手引き」の改訂を続けています。「生徒には喫煙についてルールを厳格にするというアナウンスを行うとともに、教員・講師・非常勤講師や取引先の方々が学校敷地内で喫煙することのないよう、説明を徹底しているところです」(久米氏)
その上で、久米氏は「学校にいるときだけは、タバコを我慢」では本来の教育にならないと言います。今後の就業環境とキャリアを想定して、タバコをやめるにはどうしたらよいかという教育を行うことが本来やるべきことであり、教員にも生徒にも自主性を持って取り組んでもらうためのツールの一つにVerkadaのソリューションを位置づけているということです。
「大切なのは教員と生徒がそれぞれ自主的に、禁煙に関して考えることで、カメラやセンサーは、決して悪い行為を特定し処分するためだけの道具ではなく、そのような行為を抑制することが目的です。また、潜在的なニーズに応える設備投資は、想定以上の効果を発揮することがあります」と久米氏は話します。
以前、同校の2号館の大ホールに、大画面の高画質のプロジェクターを備える改装が行われました。久米氏は「過剰な投資と懸念された設備でしたが、その結果、生徒や教員の自主性やクリエイティビティが開花し、生徒による素晴らしいヘアショーや生徒の感性を刺激する様々な授業形態が生まれ、我が校の教育の差別化の1つになりました」と話しました。
「教育環境の向上は、こちらが想像できないようなすばらしい取り組みを展開させ、教育的成果が達成されました」とし、「今回の禁煙に向けた校内環境の整備についても、これを契機に、美と健康を提供する美容の専門家としてのキャリアをめざす生徒が健康を見直すきっかけとなり、自主的な個人の成⻑と、サステナブルな教育につながってくれることを期待しています」と久米氏は話しました。
「生徒に選ばれる学校」になるために豊富な知見に基づく情報提供を
Verkadaのソリューションについて、「今回、喫煙にフォーカスした対策としてVerkadaのソリューションを導入しましたが、Verkadaは、人権意識の高い欧米で豊富な採用実績を持つため、被撮影者の顔をぼかすなど、人権やプライバシーに配慮した機能に長けており、そのことは、カメラやセンサーは人をつるし上げるツールではないという当校の考え方と一致しています」と久米氏は話します。
「Verkadaのソリューションは、設計思想の中に、文化的な多様性への配慮があります。私は現在の多様化した日本の現状においては、学校の教材として基礎化粧品を選ぶ際にも、さまざまな人種の肌に対応してきた欧米の製品を推薦することが多いですが、Verkadaのソリューションも、日本の製品にはない人権やプライバシーへの細やかな配慮を感じます」(久米氏)
学校に来ている生徒が何を感じているのか、本音で何を感じているのかを把握することが学校の務めだと久米氏は話します。「受動喫煙に関する課題解決をしても、それで満足する生徒は学校の1割にも満たないかもしれませんが、こうした細かいことの積み重ねで、多くの生徒に支持される学校の現状があると考えます」(久米氏)
その点で、「Verkadaのソリューションは、現代の教育機関が抱える多様で複雑な問題を解決する方法の一つとして、最良の選択肢だと言えます」と久米氏は話しました。Verkadaに期待したいこととして、久米氏は「海外での事例紹介、たとえば教育機関における校内環境整備の最新事例や訴訟リスクなどについて情報提供をお願いしたいですね」と話します。
「日本では縁のないことと思っていましたが、アメリカでは学校での銃乱射事件があとを絶たず、日本でも近年、不審者による建物内の無差別傷害行為等の痛ましい事件もありました。また、アメリカは訴訟大国ですが、世界がアメリカ化している中で、日本の教育機関でも今後訴訟リスクも考える必要があり、生徒や学校を守るために何か事故や重大なインシデントが発生した際にそれをデータとして確実に証明できる設備や、いち早く異常をキャッチできる環境が必須です」と久米氏は述べます。
最後に久米氏は、「生徒に選ば れる学校として在り続けるために、生徒の安全、安心を確保するセキュリティ対策に関してはこれまでもカード認証の入退館システムをはじめ、整備を続けてきました。安心・安全に関する課題解決の方法は、実際の事例をみないと判断できないことも多いですから、世界的なスタンダードにおける安心・安全を熟知するVerkadaに、今後も最新の情報提供や、より安全な環境を整えるための先進的な提案をお願いしたいですね」と締めくくりました。
学校法人中日学園 中日美容専門学校
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